諏訪部の採取記録~山菜・きのこ・釣り~

田舎で山菜やきのこを採ったり、釣りしてます。

鶏肉の塩煮込み

鶏肉の塩煮込み

今年のきのこ採りは、これで終了です。「山に熊はいない。みんな食べ物を求めて里へ下りている」というのが私の持論でしたが、そろそろ冬眠に備えた熊たちが山へ戻り始める頃合い。無理をせず、今シーズンはここで締めくくることにしました。
さて、私の地域でも雪が降り始め、冬の気配がぐっと濃くなってきました。こんなとき恋しくなるのが、あたたかい煮込み料理です。醤油や味噌でしっかり味をつけるのもいいのですが、その日は、素材の味を生かした塩ベースのやさしい煮込みが食べたくなりました。そこで思いついたのが、こちらの一品です。

鶏肉の塩煮込み

材料(4名分)

材料 分量
手羽 300g
ヤゲン軟骨 300g
大根 1/2本
4個
(A) 鶏肉の茹で汁 700cc
(A) 日田醬油 天然だしの素 大さじ1/2
(A) 塩 大さじ1/2〜1
醤油 小さじ1
ねぎ 適量
一味唐辛子 適量

作り方

  • 手羽元とヤゲン軟骨を圧力鍋に入れ、20分加圧する。煮上がったら肉と茹で汁を分け、冷蔵庫で冷ます。茹で汁は表面に白く固まった脂を取り除く。
  • 大根は大きめの乱切りにし、30分ほど下茹でする。卵はゆで卵に。ねぎは小口切りにする。
  • 鍋に手羽元、ヤゲン軟骨、大根、ゆで卵、(A)を入れ、弱火で30分ほど煮込む。
  • 仕上げに醤油をひとたらし。器に盛り、ねぎと一味唐辛子を散らして完成!

感想

冷ましたスープから丁寧に脂を取り除いたおかげか、澄んだ塩味の中に鶏の旨味がすっと溶け込み、驚くほど上品な仕上がりになりました。それでいて、大根にもお肉にも出汁がじんわり染み込み、満足感もしっかりあります。圧力鍋で調理した鶏肉もホロホロでとっても美味しいです。
家族からも好評で、この冬、わが家の新しい定番料理になりそうです。

きのこの和風あんかけご飯

きのこの和風あんかけご飯

先日になって、ようやく晩秋きのこを採りに山へ入ることができました。仕事に家庭の用事、そこへ追い打ちをかけるように天気の巡り合わせが悪く、伸ばし伸ばしにしていたところへ、街中では毎日のように熊が出る始末。それでも、晩秋きのこを食べなければ今年を締めくくれないと、気がつけば足は山へ向いていました。もちろん、熊は心配なので、きのこ採り友達に声をかけ、二人で山に入ることにしました。
さて、その日の成果ですが、どうやらナメコの最盛期には、ほんの少しだけ早かったようです。それでも立派ななめこが群れをなしており、ムキタケもちらほら。ナメコに関しては、これまで私が見てきた中でも一、二を争う大きさで、思わず唸ってしまうほどです。

立派なナメコ!

ムキタケが手に入ると、私の中で決まって作る料理があります。豚肉や小松菜と合わせ、オイスターソースで味付けしたあんかけです。これをご飯や炒飯にたっぷりとかけていただくのが、私にとってムキタケの定番の食べ方です。

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昨年は鶏がらスープで中華寄りに仕上げたのですが、今年は和風の優しい味に仕上げました。

きのこ和風あんかけご飯

材料(2名分)

材料 分量
ムキタケ 100g
その他きのこ(なめこ・ブナシメジなど) 100g
豚バラ肉 100g
小松菜 1/3株
にんじん 1/3本
200cc
(A)醤油 大さじ1
(A)オイスターソース 大さじ1
(A)みりん 大さじ1/2
(A)日田醤油 天然だしの素 小さじ1
水溶き片栗粉 適量
ご飯 300g(2杯分)

作り方

  • まずはきのこの下処理から。きのこ類は汚れを落として、塩水で1時間程度虫抜きをし、沸騰したお湯で1分程度湯がく。
  • 次は下ごしらえ。ムキタケは薄皮を剥く。きのこ類と豚バラ肉を一口大に切る。にんじんは2cm幅の短冊切り、小松菜は茎をそぎ切りに、葉はざく切りにする。
  • フライパンにきのこと水を入れ、弱火で10分ほど煮る。
  • にんじんと小松菜の茎を加え、さらに5分。そこへ豚バラ肉、小松菜の葉、(A)を加えてもう5分煮る。
  • 水溶き片栗粉でとろみをつけ、ご飯にかければ完成!

感想

ムキタケは、やっぱりこの料理がいちばんしっくりきます。あのつるりとした舌触りと、オイスターソースの深みが寄り添い合い、ご飯が進みます。
この日はなめこの味噌汁も添えたのですが、一年ぶりに食べた天然ものは、特有の香りと力強さに驚かされました。
今年のきのこ採り、できればもう一度だけ山に入りたいですが、そこは熊の状況をよく見て判断したいです。

【決定版】シュークルート

【決定版】シュークルート

前回の記事の続きです。あれから試行錯誤を重ねた末、ようやく “諏訪部家のシュークルート” が形になりました。
今回の改良点は三つ。ひとつ目は、豚バラ肉の煮汁を量を増やし、スープ仕立てにしたこと。ふたつ目は、酢をりんご酢に替えてフルーティーさとまろやかさを加えたこと。そして最後は、ペンネを添えて満足感を加えたことです。

シュークルート

材料(2〜3名分)

材料 分量
キャベツ 1/2玉
玉ねぎ 1個
人参 1本
豚バラブロック 500g
ソーセージ 4本
(A)白ワイン 200cc
(A)りんご酢 50cc
(A)豚バラ肉の煮汁 200cc
ペンネ 100g
マスタード お好みの量
塩胡椒 適量
ブーケガルニ 1束

作り方

  • まずは下ごしらえから。キャベツは太めに刻んで塩をし、しんなりするまで水分を抜いておく。玉ねぎは2cm幅の薄切りに、人参は縦に4等分する。豚バラ肉は5cm幅に切り分け、圧力鍋で20分間加圧する。
  • フライパンにオリーブオイル(分量外)を落とし、人参を弱火で10分程度炒める。続いて玉ねぎを加え、透き通るまで炒める。
  • 同じフライパンに下から順に玉ねぎと人参を敷き、その上にしっかり絞ったキャベツ、ソーセージと豚バラ肉、さらにキャベツと重ねていく。そこへ(A)を回しかけ、ブーケガルニを加え、蓋をして30分ほど弱火で煮込む。
  • 別鍋でペンネを茹でておく。
  • 最後に塩胡椒で味を整える。ペンネを添えてお皿に盛り付けたら完成!

感想

りんご酢を使ったことで、フルーティーな爽やかさが加わりました。豚の旨味が溶け込んだスープはさらに美味しくなった気がします。奥さんからも「美味しい」と感想をもらえたので、 “諏訪部家のシュークルート” は晴れて完成です。
今年のクリスマスは、これとアルザスの白ワインで決まり。あとは、どの一本を迎えるかを考える楽しみが残っています。

シュークルートver.1

シュークルートver.1

最近、どうにもきのこと私の予定、それに天気までが噛み合わず、きのこ採りに出かけられない日が続いています。この時期は天然なめこを食べるのが我が家のお決まりで、都合が合わずにもどかしい気持ちです。
そんな折、今年のクリスマスは何を食べようかと考えていました。数年前にアルザス地方のリースリングにハマっていた頃、作っていた料理があります。シュークルート、塩漬けして乳酸発酵させたキャベツに、ソーセージや豚肉などの肉を合わせ、白ワインで煮込んでいく、フランスの郷土料理です。三國シェフのレシピを参考に初めて作って以来、特別な日に作る料理となりました。

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きのこ採りにも行けないもどかしい気持ちを、シュークルートを自分好みに仕上げることで紛らさせています。今回のレシピは、その途中経過。とはいえ、まだまだ手を加えたいところがたくさんあり、これからも改良を続けていくつもりです。

シュークルート

材料(2〜3名分)

材料 分量
キャベツ 1/2玉
玉ねぎ 1個
人参 1本
豚バラブロック 500g
ソーセージ 4本
(A)白ワイン 200cc
(A)酢 50cc
(A)豚バラ肉の煮汁 100cc
マスタード お好みの量
塩胡椒 適量

作り方

  • 下ごしらえをする。キャベツは太めの千切りにして塩もみし、水分を抜く。玉ねぎはくし切り、人参は5cm幅に切ってから4等分に。豚バラ肉は5cm幅に切り、圧力鍋で20分加圧しておく。
  • フライパンにオリーブオイル(分量外)をひき、人参を入れて弱火で10分ほどじっくり炒める。玉ねぎを加え、透き通るまで炒める。
  • フライパンに、下から玉ねぎ・人参、よく絞ったキャベツ、ソーセージと豚バラ肉、さらにキャベツと重ね、(A)を回しかける。蓋をして30分ほど弱火で煮込む。
  • 最後に塩胡椒で味を整えたら完成!

感想

本来のシュークルートでは乳酸発酵させたキャベツを使いますが、今回は身近な材料だけで作れるよう、塩もみキャベツで代用しました。それでも白ワインと酢を合わせて煮込むことで、豚バラ肉もソーセージも驚くほど軽やかに仕上がります。
この日はビールを添えましたが、やはりアルザスリースリングと一緒に味わいたい一皿です。
レシピとしてはほぼ完成形なのですが、まだまだ試したい工夫が控えています。煮込みにハーブを加えたり、酢の種類を替えてみたり、ソーセージを何種類か組み合わせたり……考えるほどに、次の料理が楽しみになるのです。
今年は「諏訪部家のシュークルート」をクリスマスに家族で食べれるようにしたいです。

ハナイグチの和風パスタ

ハナイグチの和風パスタ

先日作ったハナイグチのクリームパスタは、風味こそ控えめでしたが、料理としては申し分のない仕上がりでした。

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けれどもハナイグチを愛してやまない身としては、やはりあの土っぽいの香りを感じるソースでパスタを食べたい。そこで今回は、迷わず王道の和風パスタに仕立てました。

ハナイグチの和風パスタ

材料(1人分)

材料 分量
ハナイグチ 100g
豚バラ肉 50g
ごぼう 50g
(A)水 200cc
(A)日田醬油 天然だしの素 小さじ1
醤油

大さじ1

みりん 大さじ1
パスタ 100g
小ネギ(トッピング用) 適量
一味唐辛子 お好みで

作り方

  • まずは下ごしらえから。ハナイグチと豚バラ肉は一口大に切り、ごぼうは薄い斜め切りにして水にさらしておく。
  • フライパンにハナイグチとごぼう、(A)を入れ、弱火で15分ほど弱火で煮込む。豚バラ肉、醤油、みりんを加え、さらに5分ほど煮る。
  • その間に別鍋で、塩分濃度1%のお湯を沸かしてパスタを茹でる。
  • 表記の茹で時間より3分前になったらフライパンへ移し、残りの時間は具材の旨味を吸わせるように煮込む。
  • お皿に盛りつけ、小ネギを散らし、一味唐辛子をお好みで振れば完成!

感想

やはり、ハナイグチとこの味つけの組合せに間違いはありません。口に運ぶと、ハナイグチならではの香りがやさしく広がり、醤油とみりんの甘辛い風味がそれを包み込みます。ごぼうの風味もハナイグチとピッタリです。ポルチーニとクリームの相性がいいように、ハナイグチはやはり、醤油とみりんが最もよく似合います。きっと味噌とも好相性だろうと思うのですが、今年のハナイグチシーズンはもう終了です。これは来年の楽しみに取っておくことにします。

ハナイグチのクリームパスタ

ハナイグチのクリームパスタ

なめこを炒めると、ポルチーニを思わせる香りが立ちのぼる。それならば、同じようにぬめりを持つハナイグチを炒めたら、きっと同じ香りがするのではないか、と。

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そうして作ったこの料理。結果から言えば、ポルチーニの香りを感じることはありませんでした。それどころか、ハナイグチの持つ独特の香りまで、消えてしまいました。
作りながら「ああ、これは失敗かな」と思いました。けれど、口に運んでみると美味しい。香りは消えても、旨味はしっかりと感じることができます。
こういう料理は本当に評価が難しいものです。

ハナイグチのクリームパスタ

材料(2名分)

材料 分量
ハナイグチ 200g
ベーコン 100g
にんにく 2片
パスタ 200g
白ワイン 50cc
生クリーム 200cc
ピザ用チーズ 大さじ2
日田醤油 天然だしの素 小さじ1
塩胡椒 適量

作り方

  • まず下ごしらえをから。ハナイグチは汚れを落とし、塩水にしばらく浸して虫抜きする。水気を切り、一口大に切る。ベーコンは5mm幅の短冊に、にんにくは包丁の腹でつぶしてみじん切りにする。
  • フライパンにオリーブオイル(分量外)を熱し、ハナイグチを炒める。嵩が三分の一ほどになったら皿に取り出す。
  • 同じフライパンにオリーブオイル(分量外)とにんにくを入れ、弱火で香りを立たせる。そこへベーコンを加え、焼き目がつくまで炒める。
  • ハナイグチを戻し入れ、白ワインを注いで五分ほど煮る。さらに生クリームを加え、とろみが出るまで煮詰める。ピザ用チーズを加えて混ぜ合わせる。
  • 別鍋で塩分濃度1%のお湯を沸かし、パスタを茹でる。袋の表示時間より一分早くフライパンに移し、ソースと絡める。
  • 塩胡椒で味を整えたら、完成!

感想

ポルチーニのような香りはしない。ハナイグチの風味も消えてしまった。けれど不思議なことに、味そのものは美味しいのです。「なんとも言えないね」と、隣で食べていた奥さんも同じ言葉を口にしました。きっとこれは、“失敗ではない失敗”。
次は和風スープパスタ仕立てで、もう一度試してみようと思います。

粕汁

粕汁

我が家には、鉄板の常備菜が二つあります。ひとつは筑前煮です。リュウジさんのバズレシピと、野﨑洋光さんレシピを参考にしながら、自分なりの味を探って今年の冬に完成した一品。何度食べても食べる度に「やっぱり美味しい」と言ってしまいます。

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そしてもう一つが、冬の寒さにぴったりの粕汁です。きっかけは、やはりリュウジさんの動画です。初めて作ったその日から、気づけば毎日のように食卓に並べていました。けれど、作るたびに「もう少しこうしたら」「次はこうしてみよう」と改良を重ねていくのが私の性分。こちらもようやく我が家の味が完成しました。

粕汁

材料

材料 分量
大根 1/4本
人参 1本
ごぼう 100g
里芋 5個
長ネギ 1本
ちくわ 5本
薄揚げ 2枚
こんにゃく 1枚
豚こま肉 200g
(A)水 1,000cc
(A)日田醬油 天然だしの素 大さじ2
(A)酒粕 120g
(A)みりん 大さじ2
味噌 大さじ2

作り方

  • まずは下ごしらえから。大根と人参はイチョウ切り、ごぼうは1cm幅の斜め切りにして水にさらします。里芋は4等分、長ネギは1cm幅の斜め切りに。こんにゃくはスプーンでちぎって一口大にし、ちくわと薄揚げは細切りにする。
  • 鍋にお湯を沸かし、大根、人参、ごぼう、里芋、こんにゃくを3分ほど下茹で。いったんザルに上げてから、同じ湯で豚肉をさっと湯通しし、冷水に取る。
  • 鍋に(A)と豚肉以外の下茹でした具材、ちくわ、薄揚げを入れ、火をつけて20分ほど煮込みます。酒粕は、口当たりをなめらかにするため、ザルで濾しながら加える。
  • 最後に味噌を溶き入れ、豚肉と長ネギを戻してさらに5分煮込んだら完成!

感想

ひと口すすれば、体の芯までじんわりと温かくなります。大根の甘み、里芋のほっくりとした舌ざわり、豚肉の旨み、それらを包み込むのが、酒粕のやわらかな香り。煮込んだからかとても濃厚に仕上がっております。そこに絡む里芋のとろみがまたいいです。
これからどんどん寒くなるので、このレシピの出番が増えてきそうです。